暗中模索する新到の自己対話、あるいはモノローグの断片、所謂、初演に向けてのメモ
道端に弛(たゆ)まる一輪の華。その昇華しきった姿を背に一歩一歩進みたる御身を憶(おも)い、重ねてみれば、時は死滅し忘却の裡に舞い込むに至る。矢継ぎ早に過ぎ去る記憶を留める術は、果敢なき導(しるべ)の意図に舞い込む僅(わず)かな意思と、滅却に染むる自虐への邂逅に他成らない。鏡は歪狭な変形をなして、反復を持って御身に降り掛かる。然(しか)るに、現実は偽りの器でしか無い。